私の理想の世界

私は夫婦という関係性の造形に信用を置いていたが、夫にとってはそれは有象無象のひとつの関係性でしかなくて、私にとっては夫婦ですらこれなのに他の人間なんてなおさら信用できるかという感覚に陥るのだ。

 

この感覚が虐待を受け家族という安全基地が構築されなかったことによる影響なのだろうか。私はもう心の行き場もわからず、いやわからないわけではないので虚淵作品の音楽を聴いている。私も沙耶や瑞麗のような終わりを迎えたかったが、それは叶いそうもなく、私はただそうした世界の夢を頭に浮かべるための脳の信号を送るために衣食住を回しているに過ぎないのかもしれない。明らかに目標地点がおかしいだろうと思うだろうし、非現実的だろうと、それが全くこの世に存在しないと思うことが私には耐えられない。他の人間を前にして自分の人権がなくなるような状況の後だとこうならざるを得ない。

 

よくよく考えてみると平日より土日の情緒が荒れるのは音楽を聴く時間が減って解離の時間も減ってしまっているのではと思ってきた。夫が技能実習生の話をしてくるだけでも辛いのに、最近は言語学習だとオンライン学習を始めた。夫が他の人間と笑っているという事実だけで私は胃が痛むのである。

 

こうなってしまうともうどこも安全ではないから死ぬしかないという過去から持っていた衝動を実行に起こさないようにひたすら二次元に留まるしかないわけである。このやり場のない独占欲も、同じように独占欲を抱えている同胞に思いを馳せることで慰めることしか出来ないのだ。