ゾンビの身体から幽体離脱する日々

また勉強に失敗した。わからないと息が苦しくなってめまいがする。胸から喉の管がまるで釘で押さえつけられてるみたいに痛くて苦しくて、どうして私はこんな愚かなことをしようとしてしまったのだろうって何かをやろうと思った自分を激しく憎み嫌悪し攻撃する衝動が止まらなくなってくる。最初から勉強しようとなんて思わなければここまで自己否定に苛まれることもなかったのに私はまた土日に同じ失敗をしてしまった。ただ夫と同じ趣味をして時間を過ごしたいという意識が高い訳でもないし、前回より目標を下げて始めたのに、文法をやめて単語だけにしてもパニックになってしまったのである。それでも失敗してしまった。常に自己否定で苦しいのは事実なのに内をやってもその自己否定感をさらに強める結果に終わってしまう。

 

どうして私はこんなに試行錯誤が出来ないんだろう。怠けてるとか甘えてるとか、人からはどうせそんな風に思われるんだろうけど、本当に体中が痛くて苦しくなる。息を詰めようとすれば小さい風船を無理に膨らませるように内臓が痛む。私は無理矢理学校に通わされていたが、こんなにパニックになって勉強してる人を私以外に見たこともない。

 

毎度毎度泣いたり息が苦しくなったりしながら勉強なんて出来るわけがない。勉強をしようと思う前の落ち着いていた自分にも戻れなくなる。凄く悲しいし心細くて仕方ない。どうして私は何か出来ないことをどうにかしようとするだけでこんなに死にそうになってしまうんだろう。

 

努力や成功体験を積み重ねることがどうしてこんなに難しいのだろう。どうして私には残機の概念がまるで存在せず、過去に死んだ場所に来ると自動的に死んでしまうのだろう。私は私という存在を全くもってコントロールが出来ない。勉強する前の何かをやろうと思っていた自分が全くの偽物で、本当の自分はすぐに身体が崩れ落ちるような存在であったことをいつも思い出してしまう。

 

ゲームをすれば集中力が養われるわけでもないし、諦めない精神が身に付くわけでもなかった。私は何もかもがあまりに脆く壊れてしまう。他の人間が棍棒を振り回しているのに私だけティッシュを振り回して戦いに挑んでいるような理不尽さがある。

 

私が二次元やゲームに触れている時はその身体のことを忘れられるのに、そうでない世界では私はゾンビのように別物の存在になってしまう。私は自分が本当は人と同じように出来る人間ではないということを思い出さない為に二次元を彷徨っている。誰も私と言う存在を観測することのない世界でだけ、私は私を忘れて生きていける。

 

だけど勉強をすると私が人と同じ人間ではない人から殺されるような無力な存在であることを思い出してしまうのだ。私はそれでもう正気を保てなくなる。私はどうして同じように出来ないのだ。こんなに理由も、状況も、頭の中で整理しても身体が全くついてきてくれない。ここは安全で、誰にも怒られない場所のはずなのに、完璧に人と同じように出来ないから虐げられ守られることのなかった自分の身体に私が戻ってしまう。

 

自分でやりたいのではなくて夫に合わせてるからすぐに影響が出るのかもしれない。しかし私はどうしてか、そこまで物事に長く関心が湧いたり興味や気力が湧くわけでもない。何か、何かが欠落している。それが何なのかが私にはわからない。過去から何かを探そうとしても、怖い、危険、何も好きになってはいけない、失敗してはいけない。私の記憶には隠れ潜もうとして死んだふりをする私しか存在しない。私は人々が人が持っていると語るような興味や関心や好奇心があまりに乏しい。私は三次元で最初から生きている時間はまるでなかった、

 

どうにかして、どうにかしてこの身体の状態から抜け出さなくてはならない。そう思うとどうしても勉強することをやめなくてはいけない。だけど私はどうしたらいいんだろう。自己否定感や自分への攻撃性から逃れる方法が、今でも自分の身体、自分の存在から逃げ出すくらいしか方法がない。ゾンビの身体から幽体離脱した魂が、とくに世界に干渉するわけでもなくフラフラと世界を漂うことしか出来ない。

 

自分を攻撃する過去の人間やそうした言葉の攻撃を跳ね返すための理論を、装備をモンハンの如く集めて装備するような生活をしていて、過去の記憶の言葉は間違っていたんだって、ひたすら襲ってくる記憶から身を守る方法は探しているけど、身体の異常事態をどうしたらいいのか私には全く見当もつかないのだ。