独占欲と円形脱毛症

自分の独占欲で胸が焼けそうになる。子供の頃から同性の友人に対して独占欲が始まってそれは今でも夫に対して止まらなくなっている。夫がかなりのインドア派でかつ夫自身が二次元のキャラ相手でも浮気だと怒り出すような性分なのでバランスがなんとか成り立っているだけなのだ。本当は刀剣乱舞で本丸をたまに見に行きたいしグラブルの無料ガチャを回したいがそこは我慢している。

それでも発作のように独占欲で気がおかしくなる。何をどうしたら満たされるのか全くわからない。一番がいいなんてまだ可愛いもので私は唯一でいたいのだ。だから昔は執着していたが友達関係なんて替わりがいくらでもいる関係性に今は価値を感じていない。それが独占欲を緩和させるような関係性を作ることへの困難を増やしている。好きな人の数だけ奪ってくる敵が増えるなんて気が狂ってしまう。


過去を考えると独占欲が起こることがわからないでもない。母の肩を持って怒鳴る父、世間体を前に豹変する内弁慶で支配的な母から生まれ、夫婦関係も不仲な場所で幼少期の夜に何度か家を追い出されながら育った。不安定な家庭にさらに兄弟が生まれた。母から聞いた話によるとその頃の私は円形脱毛症になったらしい。そう言われてみると幼稚園の先生にニコニコとまた髪が生えてくるんだってと話していたことを思い出す。


その後も父の単身赴任や引っ越し、兄弟のストレスによる視力低下で欲望を抑圧するようになった。小学校に入ってからは母の世間体を気にする反応からいじめ被害を無視された挙げ句に加害者を庇われたことで私の人間関係への潔癖さは尋常ではないものになってしまった。当時は父も母も末っ子だから長女よりも末に甘いのだろうと思っていたが、兄弟がいなくてもこんな信用に値しない家庭でならどのみち独占欲は強くなっていたのだろう。それでも兄弟には迷惑を掛けてしまったし、その後も母の横暴や父の不機嫌から完全には庇えなかったと思う。一人っ子だと期待も不満も一人で受けることを思うと私が生まれなければで片付く問題でもなく、お互い違う家で生まれられたらよかったと思わずにはいられない。


医師は私のこの執着は発達障害のこだわりが人間関係に出ているのだと話すが、これだけ理由があっても普通の人はこうもならないのだろうか。そうだとしたら理屈でどうこうできる問題ではないのかもしれない。


せめて行く先々の人当たりが良かったら済んだのだが、どこへ行っても嫌われ虐げられ名前も知らない人からさえ辛く当たられる私には人に好意を持つこと事態が難しい。私にどうしたらいいのか聞くと、穏やかな好意を持てる判断材料がないと言われる。幸福よりもストレスの方が強いのだと。今日もそんなことを考えて終わる。寂しさから夫を起こさない時間稼ぎになっただろうか。