全く分からない。正直深呼吸しろなんて遊びが通用するような苛立ちではない。肺がゴチゴチに固まって吸い込むたびに岩を押し込まれるような苦痛を感じるのだ。おまけに手足も震える。屋外で身体が立たなくなることが恐ろしい。外であんなに身体が重くなったり手が痺れることが怖い。
横入りを指摘されることが怖くて並べない。店って大体立つ場所に足跡マークつけるから並んでる人がいるかわかりやすいけど。病院って並ぶ場所の位置がないから怖くて近寄れない。もしここで横入りだと指摘されたらそこで自分が悪者扱いされたってフラッシュバックする。別に私は急ぐことなんてないのに、どうして私がそんな扱い受けなきゃいけないんだって耐えられない。
受付の人が冷たい対応でもフラッシュバックする。なんか普通の人間の立ち振る舞いを求められることそのものがフラッシュバックを誘発するって言うんだろうか。別に最初から狂人になろうとしてるわけではないんだけど、普通の人間を期待された時に今のお前では駄目だという人格否定の感覚がフラッシュバックする。一方的に予約の時間を決められた時なんかも、自分より他の人間を大事にされたっていうのがフラッシュバックして結局キレる。だから受付と意思疎通するのも怖い。
そして医師も当然怖い。怒られる、注意される、指摘される、アドバイスされる、助言される、そのすべてが結局は貴方は間違ってるって意味になるから駄目なのだ。それでフラッシュバックする。もうどうやってもフラッシュバックする。貴方のためだとか相手も仕事だとかそういう言葉を自分にかけて慰めようとすると結局私より他の人間が大事なんだとさらにフラッシュバックする。
もう何をやってもいじめに合ったこと、それを自分の責任にされたこと、母が加害者を
庇って褒めた記憶のどれか１つが思い出される。そしてその３つは連結している挙句、その後にもあった似たような記憶がまるごと身体の中に飛び込んできて、身体はおかしくなるし、記憶がフラッシュバックする。そうするともう同じ場所には行けなくなる。
正直ここまでおかしくなると本当にどうしたらいいんだろう。福祉の人間も信用できなくなってしまった。普通を期待されること、普通に歩みよることを望まれることが母と重なって怒りで気が狂うだろうし。こんな酷いフラッシュバックを家で起こしたくもないから訪問医療にも頼れない。だけど夫に頼らないと通院できないのも申し訳ない。だけど怒り狂って身体が壊れたら救急に頼るような事態になってもおかしくない。
助けてって言いたいけど、どうしたら記憶から助かるんだろう。どうあっても陰湿な母の過干渉な対応は人をトリガーに思い出してしまう。
キレる私をやめたいって本は読んだけど、発達障害とか引っ越しとか解離みたいなのがワンセットで、どうにも本にあるような綺麗な主人格みたいなのがないからうまく構築できない。おまけにトラウマの専門医も地雷を踏んでくる。母の言葉に干渉されずにセルフケアをする方法が全然わからない。ポリヴェーガル理論とか読みはしたけど、自分に触れようとすると攻撃性が本当に止まらない。落ち着かないから病院に行く方法もわからない。
私のような人間はどうしたらいいんだろう。列は目印をちゃんと作って欲しいとか、受付は機械化して欲しいとか、医師はトラウマインフォームドケアが出来る人がいいとか、あまり記憶に残らないように筆談をお願いするとか方法するとか負担軽減のための他人に要求することばかりは浮かぶが、そんなのお願いしても我儘だと断られてしまう気がする。追い出されてしまう気がする。なにより自分があまりにも八方塞がりで苦しい。あらゆる言葉が、人が、母の記憶に汚されて自分含めて気持ち悪い。すべてに対して私は深刻なほど拒絶反応が止まらないのだ。
