ダイエットが始まらない

私はダイエットをしなくてはいけないのだが、食事制限も運動も大嫌いな私にはそれが物凄く苦痛だ。昔にダイエットしたら顔の大きさが浮くばかりであまりに食事がつまらなすぎて飽きてしまったということがある。これが顔が可愛ければ自他共に愛情を受けて維持する気になれたのだろうか。そうした意味のなさを知っていることと自分の容姿に対する諦めもあってダイエットのやる気が起きない。

食後にも関わらず無限に口寂しい時に気分を和らげてくれるものを私はひとつも持っていない。カフェインにもハーブにも反応して荒れる私には美味しい飲み物で口寂しさを満たすこともできない。チーズやナッツはすぐ肌荒れを起こす。こんなにつまらない人生なのに食べることすら自由にできないことにさらに怒りを増幅させてしまう。口も寂しいが喉も寂しい、食べ物に自分では叶わない喉の内側を撫でて貰っているのかもしれない。

運動はやろうとしては挫折を繰り返している。なにせやっても微塵も楽しくないのだ。動画サイトで人の声を聞くのはとても億劫で、よほど元気がないと行えない。ゲームの力を借りようとポケモンGOに頼ろうとしたが極端に時間とバッテリー負担が掛かるのでやめたり、リングフィットはミニゲームが難しくやる気を失くし、ストーリーモードを諦めて淡々とこなそうとしたらリングゴンがコントローラーを認識しなくなり付けることさえ億劫になった。フィットボクシングにおいては体験版にトライしたところパンチした時に腹筋に力が入っているらしく、直腸脱になりかけたところで怖くなってやめた。ちなみにポケモンGOの時も数日後には直腸脱になりかけていた。

なぜこんな愚痴ばかりなのかと読んだ人間は思うことだろう。実際やればそんな苦痛ではないはずなのにと、しかし私の頭のなかは運動中でさえ「体型ひとつ普通になったところであんたみたいなポンコツには何の価値もつかない」という自己否定が常に巡り続けるのだ。自分に意識を向けるということは自分に対する怒りや憎悪さえ襲ってくるのである。私には運動の心地よさなんて生涯縁がないのだろう。